ドラマ「人生は上々だ」〜木村拓哉、浜田雅功主演〜
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
昨日、1995年に放送された連ドラ、「人生は上々だ」1話から最終話の11話まで観た。
僕が小学4年生、10歳の頃観ていて、内容は薄っすらしか覚えていないが、毎週楽しみにしていたドラマだ。
果たして24年の時を経た今観ても面白いのだろうか、感動できるのだろうか。
そんな少しの不安を抱きながらGEOへレンタルに。
ギャンブルに溺れ、複数のサラ金業者に追われる大上一馬(木村)は多田金融の取立て人内藤八郎(浜田)に捕まり返す当てのない借金の返済のためある計画を企てる・・・。
借金に追われる男と、若い借金取り立て屋の間に芽生える奇妙な友情を描く。
出演者の一部と個人的な見解
・木村拓哉/大神一馬
24年前、やっぱりイケメン。淡白でアホみたいな感想だが、やっぱりカッコイイ。
一見適当そうに見え、生意気な若者に見えるが、実は熱い想いを秘めている一馬。素直じゃない性格で憎まれ口が多いが、アル中になった八郎や、八郎の七重さんへのアプローチを支えようとする姿は心を打たれた。
・浜田雅功/内藤八郎
もちろん今より若いが24年前という事を考えると、そんなに変わってないという捉え方もできるかもしれない。
好きな女の前になるとビビってハッキリ物事が言えない点、逃げグセがある点、お調子者といった八郎はまるで自分を観ているかのようで感情移入できた。
逃げグセがあるので「逃げの酒」を飲むあたりも僕と同じ。
一馬と同じで口が悪いが、弟のように一馬の事を気にかけ、実は優しい性格、たまに見せる悲しげな顔は見ていて応援したくなった。
・内藤剛志/多田公平
悪役がバッチリハマっている。
「ザ・街金業者の社長」という感じのクズっぷりはベタでわかりやすかった。
・石田ゆり子/下村七重
2019年現在、アラフィフ美女と言われ(本当に美人)、当然の事ながら24年前も清楚で美しい。
男の一歩後ろを歩くスタイルのやまとなでしこは古き良き時代の七重さん。
・飯島直子/松井心
元気がよく、やや勝気な性格な役柄で、個人的にはハマっていると思う。
表向きとは違い、女性らしい一面も持っている心にグッと気持ちが入った人も多いはず。
・的場浩司/役名なし!?
10話か11話でわずかではあるが出演。
・阿部サダヲ/多分役名なし
こちらもほんの数分(数秒?)の出演だが、なんとこのドラマに出演していたとは。
八郎と一馬の2人の立場が入れ替わる
物語初め、一馬は借金を抱え、八郎に追われる身。過去に自分が原因で恋人を死なせてしまった罪悪感から医者の道を諦め、色んな事から目を背けて生きる一馬を借金取りの身にも関わらずかばう八郎。
中盤で八郎がカタギに戻ろうとするが、前科持ちが原因で戻れず酒に逃げ、アル中になる。
ここで立場が入れ替わり、今度は一馬が八郎を叱咤激励し、献身的に支える。
このお互いの立場や生きる姿勢が入れ替わる部分が、この物語の一つのポイントでもあると思う。
ダメな人間、というか多くの人間が持っているであろう逃げグセ。
何かが原因で2人共発症してしまうが、それを少し不器用ながらも更正させようとする姿は観ていて心に響いた。
名言
まずは第1話、八郎の登場シーンで言い放った言葉。
「人には絶対にやったらアカン事が3つある。1つは親より先に死ぬな。2つ目は自分より弱いヤツとケンカをするな。3つ目は借りたもんは必ず返せ。」
この「人には絶対にやったらアカン事が3つある」ネタ、中身を少し変えて物語の随所随所で出てくる。
その他、「人が生きていくために必要な事が2つある」という投げかけクイズのようなセリフがある。
答えは「君と僕」だが、傷心中の七重を励まそうとした八郎は「愛する力」と「信じる勇気」と言葉をかけた。
僕が繰り返しアレンジパターンセリフが好きなのもあると思うが、この名言も物語を観る上で注目していただきたいポイントかと思う。
恋愛
一馬の恋愛関係よりも八郎サイドの方がリアルだったため、僕には強く印象に残ったのかと思う。
七重に恋する八郎。そんな七重が実家に帰ろうと電車に乗り込み、一馬が八郎を何としても引止めろと声をかけるが逃げグセのある八郎は諦める。
そんな八郎をあえて挑発するかのような言葉を投げつけ、それに反発心を持った八郎は荷物を電車に残したまま七重だけを連れ出す。
何もなくなり、身一つになっても必要とされる謙虚な美人の姿は、本当に美しかった。
基本的にはビビって動けないが、一馬の応援もあり、勇気を出して行動する、一途に七重を想う八郎の姿は応援したくなるのではないかと思う。
少なくとも僕は思った。
友情
このドラマの一番の見所であると思う2人の友情。
八郎が多田に騙されて殺人をなすりつけられそうになった。
警察から逃げられないのを悟った八郎は七重の事を一馬に頼む。
「お前しか頼めるヤツおらんねや!」
声の大きさ以上に心に響いたのではないか。
少なくとも僕には響いた。
多田を意識不明にするまで殴った犯人探しのための、取調室での一馬と八郎のシーンはまさに最終話に相応しいのではないだろうか。
一馬が泣きながら
「コイツ、俺の親友だから。人生でたった1人の親友だから」
と言った場面は涙腺が緩むのではないだろうか。
少なくとも僕は緩んだ。
最後に
僕が文章打つのが遅く、時間も時間なのでかなり割愛させていただいたが、このドラマは多くの人が持っているだろう人間の弱い部分をわかりやすく説明してくれているのではないかと思う。
そんな弱い部分が出てきて心が病んだ時に、周りに人がいる事で救われる事も多いのではないかという事を教えてもらった気がする。
ん?
というよりドラマというのは何か伝えたい事をわかりやすく噛み砕いてくれた作品なのであろう。
木村拓哉と浜田雅功という日本のスターが共演しているので、ややポップになっている気もするが、内容は誰にでも起こりうりそうな、多くの人々があてはまるヒューマンドラマとなっている。
そのため感情移入しやすい方も多いのではないかと思う。
ドラマなので全11話と約1日使うが、気になる方には是非観ていただきたい。
「男の友情話」なので、女性よりも男性の方が気に入っていただける印象を受けるが・・・。
セットや出演者の髪型、ファッションも今と比較してもちろんかなり古く、違う角度からも観ていただいても面白いのではないかと思う。
僕の個人的な感想になるが、10歳の頃観て良かったドラマは、34歳になって観ても良かったらしい。
24年前、一体どんな気持ちで観ていたんだろう・・・。