話題のニュース「高校生が6万円借りた恩人に再会」
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
幸せな人を見た時、良い話を聞いた時、良いニュースを見た時は心が和むものだ。
結婚式に出席した時も似たような気持ちなのだろうか。
昨日、葬儀に行く前の財布を無くした高校生が見ず知らずの人に6万円借りて、そのお金を返したというニュースを耳にした時も心が和んだ。
そこで思い出した。
僕も過去、見ず知らずの人に2万円ほど貸した事がある。(金額はハッキリ覚えていないが2万円ぐらいだった気がする。)
僕の場合は昨日のニュースの医師のようにカッコ良く、自分から察知して声をかけた訳ではないが。
現在2019年、今から8年ぐらい前だったかな。
新卒で入った会社を退社し、次の会社に勤めだして間もない頃。
慣れない仕事でクタクタになりながら自転車を漕いで帰宅中。
何歳ぐらいだったかな。
多分50歳前後のおじさんに声を掛けられた。
「ちょっと道を教えて欲しいんじゃけど」
ん?
声を掛けられたという事は自転車から降りて信号でも待っていたのか・・・。
8年も前のことになると記憶も曖昧な事ばかりだ。
確かそこで簡単に道を説明した。
第一声もそうだし、少し話すと広島弁だったので、もしかして広島から来たのではないかと見いてみた。
そう、僕も広島出身なのである。
「そーなんよ!」
当たった。
詳しく話を聞いてみると、どうやら置き引きにあったというではないか。
警察に行ってもお金を貸してくれる訳でもなく困っていると言う。
僅かな退職金と、退職直前にもらったボーナスがあったので、その当時は少しお金が口座に入っていた。
同郷と言う事で親近感が湧いた僕は、近くにあったローソンに行き、ホテル代と新幹線代で使う分ぐらいの2万円ぐらいをそのおじさんに貸したのだ。
理由は忘れたが、そのおじさんは住民票を持っており、コピーを渡すだの何だの言っていたが断ったのを覚えている。
電話番号だけ交換した後、帰宅できたら電話して振り込むと約束をし別れた。
翌日ーーーーーーー。
電話を待ったが一向にかかってこない。
確かお金を貸した2日後に僕から電話した。
結果は。
電話が繋がらなかった。
結論から言うと騙されたのだ。
おそらくだが、お金を貸した時は全く疑っていなかった気がする。
電話が繋がらなかった時も、あの場面で貸さなかった時の事を考えた。
「本当だったらかわいそうだな」
いい人ぶるわけではなく、本当にそう思ったので全く不快な気持ちにならなかったのだ。
それとは別に、こういう事もあるからもう見ず知らずの人にはお金を貸さないようにしようとは思った。
小さい頃から親父に口すっぱく言われている事がある。
「どんな事があっても(お金が絡む事の)保証人にはなるな」
刷り込みというのは良くも悪くも効果があり、おそらく僕は保証人は絶対にならない。
しかし、
「見ず知らずの人にお金を貸すな」
とは言われていない。
それもあって迷いなく貸したのがあるのかもしれない。
ちなみにこの話を妹の結婚式の時、両親にしたら笑われた覚えがある。
あれから8年経過した今。
あの時の気持ち(見ず知らずの人にお金は貸さない)はどこかへいってしまっているのが本音なのだ。
そしてこのニュースを聞いた時、思ってしまったのである。
また8年前と同じような場面に遭遇してしまったら同じようにお金を貸してしまうかもしれない。
自分の事ながら怖いが、事実そう思うのである。
何々?
お前はアホだ?
そう。
悔しいがアホだ。
残念ながらこのアホは治らないかもしれない。
そんな僕の治らないアホは置いとくとして。
お金を借りた高校生、新聞社に掛け合ってきちんと返したのは偉いぞ。
「借りたもんは返す」というのは当たり前だという人もたくさんいると思うし、僕もそう思うが、ここは未成年ながらしっかり行動した未成年を讃えようじゃないか。
しかも落とした財布も中身の6万円がが入ったまま手元に戻ってきたというじゃないか。
世の中まだまだ捨てたもんじゃないな。
と、思わされたのと同時に、どうかこういったニュースを逆手にとって詐欺行為等は絶対にやめてほしいと思った。