日清パック焼きそばで社会人1年目を思い出す
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
先日、スーパーで買い物をしているとある商品が目に留まり、社会人1年目を思い出してついついカゴに入れてしまった。
この商品。
昔からある、日清パック焼きそば。
1袋5食入り、300円程度、1食約60円。
安い。
僕が小さい頃、土日の昼食に親父がよく作ってくれた焼きそば。
そして23歳社会人1年目。
大学時代を実家で過ごした僕は一人暮らしが初めてだった。
必要最低限の皿やコップ、箸を買う。
1ヶ月31回訪れる夕食のウチ、27、8日ぐらいはこの焼きそばと米1合、即席味噌汁で過ごした日々を思い出す。
入った給料やら会社から支給された支度金で、所持金に見合わないネクタイやらスーツを買い、当時は本当にお金がなかった。
4月に全体研修のため埼玉の寮に2ヶ月半在住。
その後名古屋へと転勤したのだが、確かこの夏は冷蔵庫もテレビもなしで過ごした気がする。
家電といえば、親に送ってもらった炊飯器と電子レンジ、さすがに必要だと思って購入した4万円程度の洗濯機ぐらいだろうか。
そういえば34歳になった今もその洗濯機をまだ使っている。
更に家具も必要ないと思い、当時集めていたドラゴンボールのフィギュアや洋服は床に並べていた。
今のご時世珍しくないとは思うが、社会人になってテレビを手に入れたのは1年後ぐらいだった気がする。
他にもパックラーメンやら何やらあったのになぜこの焼きそばを選択したのか。
毎日この焼きそばを食べていた時はそんな事考えもしなかったが、今なら客観的に見て思う節がある。
そう。
前述したように、おそらく小さい頃親父がよく作ってくれたからだ。
親がよく作ってくれた食べ物は、大きくなっても思い入れみたいなのがあるのだろう。
どこか安心するといった心情もあるのだろう。
考えてみると僕がよく作るあまり美味しくないカスみたいな料理は、親が作ってくれていたモノが多い気がする。
帰省した時に久しぶりに親が作る料理が美味しく感じるのも食べ慣れているからというのもあるだろう。
くどいようだが僕が作る料理は3回に2回はマズイが。
このパック焼きそばを、何年かぶりに食べてみた。
作り方は簡単。
鍋に水を入れて湯を沸かす。
沸騰したら麺を投入。
ほぐす。
水気がなくなってきたら付属のソースをぶっかけて混ぜる。
(ここは割とスピーディーな作業になるのとやや酔っ払っていたため写真を撮り忘れた)
水気が完全になくなったら皿に移す。
これまた付属の青のりをぶっかけて完了!
本当に簡単だが、久しぶりに作った事もあり、ソースをいれるタイミングか、皿に移すタイミングが悪く、麺が少しグニャグニャしていた。
素人の僕が偉そうに言うのも料理人に申し訳ないが、料理の火入れは本当に難しい。
いざ実食!
・・・。
美味しかった。
酔っていた事もあり、少しジーンとしてしまった。
23歳の頃はこの焼きそばに親が送ってくれた玉ねぎを入れていた。
肉なんて高価な食材は入れなかった。
肉を入れた方が肉の風味も入って美味しいはず。
それでも僕はこの具なし、もしくは玉ねぎのみのこの焼きそばが好きだ。
これをオカズに米をかきこんでいたあの頃。
今も決して特別裕福な生活をしているとは思わない。
それでもさすがに12年一人暮らしをしていると部屋の設備も整っており、もう少しまともな食生活をしている。
それでもどん底にお金がなかった23歳のこの頃を不幸だったとは思わない。
若さがあった20代はお金がなくても幸せだったような気がする。
幸せってなんだろう。
考える指数が多過ぎるのでまた気が向いたら当ブログに投稿させていただく。
皆さんもこういった、変に思い入れのある食べ物があるのではないだろうか。