スペックの違う人と絡む時の地獄
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
人間のスペックって何だろう。
最近はツイッターのフォロワー数やリツイート数、YouTubeのチャンネル登録者数や動画再生回数など、何でも数値化し、明確化されやすくなっている。
そのため人間のスペック差がハッキリし、目に見えて格差が生まれてしまう世の中になっている。
とは言え数値化できない事もあるし、人間のスペックや価値なんて見る人によって違ってくるものだ。
例えば人間性や人柄はなかなか数値化するのは難しいし、接する人によって変わってくるではないか。
結局は人の感じ方だが、あまり気心の知れない、志やスペックが違う人同士がお酒を飲み交わすと悲惨な事になるらしい。
こういった話がある。
A君が10年ぐらい前によく行っていた馴染みの居酒屋でお酒を飲んでいた。A君は副業でせどり片手に昼間は零細企業に勤めている中年。夕方から飲み始め、ビール5杯ぐらい飲み、チューハイに移行したぐらいの時だ。1人のお客さんB君がA君の隣に座った。B君は記者の仕事をしている社会人2年目の若者だというではないか。飲んで話している中で、A君がB君に聞いた。
「何で記者になろうと思ったんですか?」
B君は即答で、
「例えば政治家の汚職など、不正を暴くためですよ。」
A君は思っただろう。おそらく10ぐらい年下の若者が世のために、社会貢献のために高い志を持って働いている。それに比べてA君は私利私欲のためだけにせどりで小銭稼ぎ。悲惨なものだ。
そんなこんなで飲んでいるとまたお客さんが1人、Cさんが入ってきた。B君が一番左、真ん中にA君、そしてA君の右にCさんが座った。Cさんは大学の教授らしい。助教授が教授かはさだかではないらしいが大学の先生という事。
3人で話しているとGWの10連休の話になる。
社会貢献力がないA君はただ休みたいだけ。自分がゆっくりしたい、遊びたい一心で、いかに連休を取れるかどうか。そればかり。アホの1つ覚えみたいに言う。
「やっぱお金使って経済回さないと」
いやいや、君が回せる経済なんて日本と言う母体の中でチリみたいなもんだろ。悲しくなる。
一方B君とCさんは休みがほしいというより、やりたい事はたくさんあるから不要な仕事を省き、自分にとって最適化するようにしてほしいというのだ。なんて献身的な話だ。
おそらく志、価値観、スペックがこうも違うとA君は生きた心地がしなかったはずだ。そして自分の価値のなさに見えない圧力に押しつぶされそうだったに違いない。
A君、 B君、Cさん3人共社会人なので、その他もやはり仕事を絡めた話になったようだが、A君からするとスケールの違いや社会貢献度の違いを感じ、ほどなくして店を出たとの事。
前述似たような表現があるが、スペック差がある人同士が話をすると、内容や発言がづれた時、劣者側に大きく自信のあるものがない時の地獄は想像を絶するものであろう。
特に劣者の方が少数だとアホさ具合が露呈され、見るに無残な光景になってしまう。
A君は中年でいい年齢である。
これまで積み重ねてきたものがないのだから今更あがく必要はない。
開き直って私利私欲のために生きてやれ!