「新世紀エヴァンゲリオン」フィギュア予約販売事件
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
あれは僕が小学生の頃か。
爆発的にヒットし、今だに根強いファンが世界のあちこちに生息するアニメ。
そう。
正直僕はそんなに詳しくなく、劇場版を一通り観たレベル。
あの殺伐とした雰囲気に独特の世界観は確かに見るものを魅了する。
本当のファンからするとかなり浅めの僕が語っても気分を悪くされると思うのでこれ以上は語らずとさせていただきたい。
そんなエヴァンゲリオンの数量限定フィギュアが販売されるとなり、ヨドバシカメラで事件が起きたというじゃないか。
転売屋だ。
本人は欲しくないが、プレミア価格が付くので購入後にヤフオクなりメルカリなりで売る。
そのためフィギュアを買う人の行列には自分のために欲しい人だけではなく、転売屋が大勢混ざる。
そこで、ヨドバシカメラは購入規制をかけた。
商品名が言えない人などには販売しないといった方法。
このニュースを通して、世の皆さんの多くは転売屋が「悪」だろうと感じただろう。
確かに本当に欲しい人からすると手に入る確率が減る。
更に自分が欲しいわけではない人の手に渡り、価格が上がって別で売られるのは悔しい限りだろう。
かくゆう僕も欲しいスニーカーを買うために並び、目の前でおそらく転売屋であろう中国人に買われた時は本当に悔しかった。
1年に2度程数量限定で販売されるCONVERSE ADDICT。
その1回を逃すと半年間発売はないし、次に同じ商品が販売されるわけではない。
定期化されているので発売日前には転売屋がヤフオクで出品している。
自分で体験しているからこそ悔しい気持ちは余計にわかる。
しかし、転売屋は本当に「悪」なのか？
それだと中古ショップや問屋などは全部「悪」になるのではないか。
BOOKOFFは「悪」なのか？
コメ兵は「悪」なのか？
物を安く仕入れて高く売る。
商売の鉄則みたいなもんじゃないかと僕は思う。
誰でもどこでも商売ができるこのご時世。
高く売れる物の情報を仕入れ、それを手に入れるために行動する。
今回のエヴァの一件に関しては足まで運んで並んでいるではないか。
並んで自分の時間を消費している。
自分の持っている情報や時間を駆使して、手に入れた物を売れるであろう値付けをして販売する。
リアル店舗で店をかまえて商売しているのとそう変わらない気がしないだろうか。
考えようによっては店舗で待っているのに対し、自分から動き、仕掛けている。
自分で商品を仕入れにいっているだけ。
別に盗んでいるわけではない。
人が手に持っている物を無理矢理とって買っているわけではない。
お金を払って買うことの何が悪い。
確かに道徳心とかを考慮するとヨドバシカメラがとった方法は「正」だと思う。
しかし、どういう理由であれ、欲しい商品を手に入れるためにお金を出して買うことが「悪」だとはどうしても思えない。
転売転売と言って「悪」だと捉えられやすいが、見方を変えたらただの「商売」ではないだろうか。
商売することの何が悪い。
と、世のニュースに少し疑問を持ってしまう土砂降りの夜だった。
