ドラマ「グランメゾン東京」第1話 手長エビのエチュベ
34歳、夢なし、趣味なし、希望なし。
バブル時代〜平成初期に比べたら各局視聴率が伸び悩むテレビドラマ。
学校や職場の話題、様々な情報はテレビからではなく、ネットが中心になってきている昨今。
確かにネットだと自分の好きなタイミングで視聴できる事が多く、自由度が高いと思う。
効率も良いし、多くの情報を探す事ができる。
生まれた時から生活のデフォルトとして存在する若者からすると、テレビ離れは著しいだろう。(若者だけではないが)
テレビ局も昔に比べたら予算が少なくなった等の情報はコラムやネットニュースでも度々目にする話だ。
それでもそれなりにお金は持っているだろうテレビ局。
お金をかければ面白い番組が作る事ができるというわけではないが、幅が広がるのは確かだと思う。
確かに決められた時間にわざわざ時間を作らないといけないのは、僕も窮屈さを感じてしまう。
しかし、録画機能だって一昔に比べたら格段にアップしており、わざわざテープの早送りだの巻き戻しだのしなくていい現在。
テレビだって見たい番組だけ見ればいいし、気に入った番組だけ見ればいい話かと思う。
よって僕も視聴番組が偏ってしまうが・・・。
前クールのドラマは個人的には観たい番組がなく、どれも観なかった。
逆に今クールは何番組か観させていただいている。
今日は日曜21時枠の「グランメゾン東京」について書かせていただく。
木村拓哉さんのドラマは久しぶりで楽しみにしていたドラマだ。
様々な職業を作中で演じてきた木村拓哉、今回の職業は「料理人」。
当日予定があったので録画視聴になりリアルタイムでは観ていない。
という僕の個人的な情報はどうでもいいか。
まずは主役の木村拓哉の登場シーン。
これぞキムタクドラマ初回のスタート。
なかなか顔出し登場しない。
今回は下半身登場ではなく、後ろ姿登場が最初だった。
きた!
僕は心の中でニヤけた。
今回は顔出し初登場までそんなに長くなかったが、それでも少し尺をとってからの登場。
やはりカッコイイ。
そして今回の役柄がまたハマっている。
一度天下を取りそうになった天才料理人が一度落ちぶれて、また起き上がるというサクセスストーリー。
やっぱり木村拓哉はこうでないと。
最近は普通のサラリーマンや、ちょっとすごいボディーガードだった。
個人的には少し違和感があった。
久しぶりにこの感じがきた気がする。
性格に難ありの破天荒な天才肌。
素直じゃないが、本当は真面目で思いやりがある。
そして決めた事には一途で諦めない。
ベタではあるが、木村拓哉の役柄はこうであってほしい。
「何をやっても木村拓哉」
こう批判する人も近年多くいるが、華があってカッコイイのだからそれはそれでいいじゃないかと僕は思う。
現実味を帯びたドラマもいいと思うが、逆にこういったサクセスストーリーは主役が唯一無二だからこそ成り立つ作品ではないだろうか。
序盤、窃盗を行い、終われるシーンもまさにキムタク。
料理が大好きで、いきなり思い立ったように料理を始める。
「あ!」
とか言いながら突然動き出すシーンもまさにキムタク。
食事の味わうシーンもまさにキムタク。
やはりキムタクだ。
そして相変わらず仕草までもがカッコイイ。
それでも今回のドラマはそのキムタクに尾花夏樹が憑依しているように見えた。
「人のアドバイスは聞かない」
という尾花が、早見に
「この料理ゆず入れた方がいい」
という意見を黙って取り入れるあたりもニクいシーンだった。
それから最後のシーン、沢村一樹演じる京野が仲間に入った時、一度下を向いてニコリと笑うシーンは最高だった。
そしてその最高のシーンで最高のタイミングで流れた山下達郎さんの曲「RECIPE」。
第1話で最もグッとくるシーンだったに違いない。
周りを固める役者さん達もそうそうたるメンバー。
尾花が作った料理、手長エビのエチュべを食べて涙した鈴木京香さんの演技は圧巻だった。
手塚とおるさんの悪役っぷりも相変わらず綺麗にハマっている。
「多少セコイことをしてでも利益を出せ」
といったあの姿勢、最高じゃないか。
あのセコ悪そうなニヤけ顔、最高じゃないか。
まだ登場シーンの少ない他のキャストの方々も次回から出演していくことだろう。
第1話。
まだ店もなく、仲間も集まっていない。
一度全てを失った天才料理人の下克上、見せてもらおうではないか。
と、書いていると更に第2話が待ち遠しくなった。
まだ観ていない方々は是非一度ご鑑賞いただければと思う。